そして、お味。素材の素晴らしさはもちろんだが、昨今のバウムクーヘンブームにあっても群を抜くフワフワで、しっとりした食感なのである。
職人さんが一層一層、こだわり抜いて焼き上げたという同品は、「さすがはグルメとして名高い細木数子の娘さんが選んだモノだけある」と大評判だった。
墨文字で大きく記された『黒船』のロゴの威力は、パッケージのみならず紙袋も同様。先日、『ワイドナショー』(フジテレビ系)を見ていたら、内田篤人さんに特別インタビューをする際、前園真聖さんが手土産に持参したのも、中身は「どら焼き」だが、『黒船』だった。いまのところ、特別な人たちが、特別な日に差し入れる菓子メーカーの最高峰といっても過言ではなさそうだ。
オンラインショップも充実しているし、種類も「カステラ」「ラスキュ」「ザラッテラ」などと豊富に揃っているので家庭でのティータイムにも最適だ。食欲の秋が始まった。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2020年10月23日号