介護サービスを受ける場所で大きく分けると、以下の3つに分かれます。
・基本的に「自宅」で生活し、介護員や看護師などの訪問を受ける
・自宅で生活しながら「介護施設に出かけて」介護サービスを受ける
・日常生活の場を「施設」に移して介護サービスを受ける
■自宅で生活しながら受けられる介護サービス
「要介護1~5」の対象となった人が受けられる、介護サービスの代表的なものを説明しておきましょう。
まず自宅で受けられるサービスですが、代表的なものとして「訪問介護(ホームヘルプ)」があります。これは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることをサポートする介護サービスで、訪問介護員(ホームヘルパー)が家を訪れ、食事、排せつ、入浴などの介護や、掃除、洗濯、買い物や調理などの日常生活の支援を行います。通院などの場合、車での移動を介助するサービスが利用できることもあります。また訪問看護や訪問リハビリなどの介護サービスもあります。
施設に通って受けられる介護サービスとしては、「通所介護」がよく活用されています。一般的に用いられる「デイサービス」という名称を、聞いたことがある人も多いでしょう。
デイサービスは、できるだけ自宅で自立した日常生活を送ることができるよう身体機能の維持に加え、自宅にこもりがちな高齢者の孤立感の解消や、家族の負担軽減を目的としています。
施設では、食事や入浴などの日常生活の支援や、生活向上のための機能訓練、口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供していて、また利用者同士の交流もあります。利用者の自宅から施設までの送迎も行います。
■医療的な支援を行う「老健」「介護医療院」も介護保険適用
滞在型の施設としては主に「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護医療院」があります。
「介護老人福祉施設」は「特別養護老人ホーム」、「特養」の略称でよく知られています。この施設は、「常に介護が必要な人」を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供します。基本的に利用期間に制限はなく終身利用が可能ですが、特別な事情がない限り入所できるのは「要介護3~5」の人です。