社会保険労務士の小泉正典さんが「今後いかにして、自分や家族を守っていけばいいのか」、主に社会保障の面から知っておくべき重要なお金の話をわかりやすくお伝えする連載の第12回。高齢者に必要な社会保障の介護保険について利用できる内容のお話です。
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年を重ね健康に問題が出てきたときに役に立つ社会保障として、前回は「介護保険」の基本を紹介しました。加齢にともなう身体の機能低下や病気などで、今まで通り一人で日常生活を送るのが難しくなった時に活用できる社会保障です。
今回は、この介護保険が適用されるサービスについて説明していきましょう。自宅での介護だけでなく施設を利用するときなど、いろいろなシチュエーションにおいて介護保険が利用可能です。
■介護保険が利用できる介護サービスは6種類
前回、介護保険は利用者の身体状況によって「要介護度」という7つの段階に分けられると説明しました。「要支援1~2」の対象となった人には、今の体の機能をできるだけ維持し、要介護状態にならないように各種サービスが提供されます。これは介護保険の「予防給付」と呼ばれ、基本は身体的な問題が軽度の人に向けたものです。
「要介護1~5」の対象者は、入浴や排せつなど生活の一部に介助が必要な人から、生活において全面的な介助が必要な人まで、段階によって分けられています。これに認定された人が受けられるのが「介護給付」です。
要介護度により利用できる内容は異なりますが、基本的には大きく分けて以下のような介護サービスを利用できます。
●自宅や施設で受けることができる介護サービス
(1)介護サービスの利用についての相談、ケアプランの作成
(2)自宅で受けられる家事援助などの介護サービス(ホームヘルプなど)
(3)施設などに日帰りで出かけて受ける介護サービス(デイサービス、デイケアなど)
(4)施設などで生活しながら短期間から長期間、食事や排せつなどの介護が受けられるサービス
(5)訪問・通い・施設での宿泊を組み合わせて介護が受けられるサービス
(6)歩行器、車いすなど福祉用具を利用する際のサービス