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10月19日は、10(トウサン=父さん)、19(イクジ=育児)の語呂合わせで、「イクメンの日」です。「イクメン」が新語・流行語大賞のトップ10入りを果たしてから10年。言葉は広まり、男性育児の推進にも一役買いましたが、朝日新聞が昨年実施したアンケートではイクメンという言葉について、7割超が「嫌い」と回答しました。その理由と背景から見えてきたものとは?
朝日新聞が運営するwebメディア「withnews」や朝日新聞デジタルで人気の連載「#父親のモヤモヤ」を書籍化した朝日新書『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体』の一部を抜粋、再編集して紹介します。
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■イクメン「嫌い」が7割超
なぜ、「イクメン」と呼ばれることに抵抗感があるのか?
結論を急げば、モヤモヤがあるからこそ「イクメン」という言葉に拒否感が生まれます。「『イクメン』って、なんかヤダ」という感覚、いわば「『イクメン』ぎらい」です。
「イクメン」に対するモヤモヤを「見える化」するため、朝日新聞の紙面とウェブサイトを通じて、2019年9月~10月、「『イクメン』という言葉について、どう感じますか?」というアンケートを行ったことがあります。
1400超の回答がありました。その概要は、19年10月13日と20日の朝日新聞紙上(「フォーラム:『イクメン』どう思う?」)でも紹介しましたが、女性からの回答が55%、男性からの回答が41%、その他4%でした。
結果は、「嫌い」(44%)、「どちらかといえば嫌い」(31%)が7割超を占めました。「好き」(2%)、「どちらかといえば好き」(5%)は1割未満。「どちらでもない」(18%)を考慮しても圧倒しています。
■「イクウーマン」なんて言葉は存在しない
かつて、「イクメン」が脚光を浴びた時代は確かにありました。しかし、「イクメン」の誕生から10年、日本は「『イクメン』ぎらい」の社会になりました。取材班が感じていたモヤモヤは、やはり、自分たちだけのモノではなかったのです。