

秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋など色々とすることがありすぎて、寝る間もないほどですが、実は秋は睡眠にとっても一番いい季節なのだとか。確かに暑すぎず、寒すぎず気候的にも快適で、おいしいものを食べて、適度な運動をした後は、心地よい疲労感からぐっすりと眠れるような気がしますよね。
では魚たちの睡眠事情はどうなっているんでしょうか。そういえば、金魚や熱帯魚を飼っている時も、水槽で魚たちが眠っている姿って見た覚えがないと思いませんか?
実は魚たちも不眠不休というわけではありません。ちゃんと眠っています。ただ、我々人間の睡眠とはかなり事情が違うようです。
魚たちの睡眠は、大きく分けて3種類に分類されます。
まず一番多いのが、岩陰やサンゴなどに隠れて眠っているタイプです。
魚たちの世界はとても厳しい弱肉強食の世界ですので、眠ると言っても、我々人間のように熟睡するのではありません。ウトウトしながら体を休めるという感じで、何か異変を感じるとすぐに逃げられる準備をして休んでおり、眠っている時間は長くても2時間程度のようです。
ちょっと変わったところでは、ブダイの仲間は、眠る時にはエラから粘膜のようなものをだして、それに包まれて眠ります。外敵などがその粘膜に触れるとすぐに目覚めて逃げ出せるようにするためのバリアーのようなものなんでしょう。
もう一つは、砂の中にもぐって眠るタイプ。代表的なものとしては、ベラやキス、アナゴの仲間などがいます。水族館の人気者のチンアナゴも、砂の中から体を出してゆらゆらしていますよね。岩陰で休む魚に比べると安全度は高そうです。
そして最後は、泳ぎながら眠るタイプです。マグロやカツオなどの回遊魚やサメなどは泳ぎ続けていないと呼吸をすることができないので、生まれてから死ぬまで泳ぎ続けています。そうした彼らにも睡眠は必要なんです。ではどうやって寝ているのかというと、泳ぐ速度を落として数秒から十数秒という短い睡眠をこま切れにとっているようです。
たまに深夜の電車で見かける、つり革をもったままうとうとしていて、膝がガクッとなった瞬間に目覚めるほろ酔いのおじさんのような感じでしょうか?
実は、サメの中にも、泳がず海底にじっとしている変わったサメがいます。その名は、ネムリブカ。ネムリブカは、サメの中では珍しく、泳いでいなくてもエラから水中の酸素を取り入れることができる器官を持っているんです。昼間は海底や岩穴の中などでじっとしていて、多くの魚たちが眠る夜に狩りをすると言われています。