うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんの子どもも小学生に! 日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』という本になりました。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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現在小学1年生である息子は、幼稚園の頃から驚異的な運動音痴でした。マラソン大会ではほぼビリでしたし、発表会の縄跳びだって、何度チャレンジしても1回も跳べませんでした。
年中と年長の2年間、幼稚園の体操クラブにも通ったのですが、運動神経が良くなることはなく……母親としては、「まぁ早生まれだし、親だって運動神経がいいわけでもないし、別にいいや」と思っていました。ところがどうも息子自身は、「もっと速く走って、かっこいいところをみんなにみせたい」と悩んでいたようでした。
■縄跳びが一回も跳べないことを、先生に相談
かつて通っていた幼稚園では、園長先生が親向けの相談および懇親会をひんぱんに開いていたので、「それならば」と私も一度参加してみることにしました。そこで、息子が縄跳びを一回も跳べないことについて相談してみたのです。
その時の園長先生の回答は、なかなかに驚くものでした。
「縄跳びが跳べない子どもなんかいません。あの子は、実際は縄跳びを跳べるのだけれど、わざと跳ばないようにしているのです」というのです。その理由は、「跳べないダメな自分でも、お母さんは愛してくれるだろうか? と、試しているから」。
つまるところ「息子は、母親からの愛情に不安を覚えている」ということなのだそうです。
私は、息子がマラソンや縄跳びを懸命に何度も練習するところにつき添っていたので、「跳べるのにわざと跳んでいない」という言葉に、違和感しかありませんでした。しかも私は、「失敗こそ成長の種」と考えているので、息子に何かできないことがあっても、まったくと言っていいほど咎(とが)めたことがないのです。