中日・与田剛監督(左)と阪神・矢野燿大監督(右) (c)朝日新聞社
中日・与田剛監督(左)と阪神・矢野燿大監督(右) (c)朝日新聞社
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 中日・与田剛監督と阪神・矢野燿大監督。

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 ともに続投することが確実と見られており、来季が監督就任3年目を迎える。

 巨人の独り勝ちになった今年のセ・リーグだったが、来季以降の戦力に目を向けると対抗馬になりそうな2球団。しかし、両監督の評判は芳しくないものもある。

「1年目は種をまき、2年目は水をやり、3年目には花を咲かせましょう」

 野村克也氏が生前、口にしていた言葉。3年前後の時間を適切に費やせばチームが変わる、と常日頃から言っていたことだ。

 実際にヤクルト時代は90年の就任から3年目の92年にリーグ優勝。阪神時代は就任した99年から3年連続最下位に終わり、志半ばでユニフォームを脱ぐが、自身の政権時に育てた選手が軸となり、03年には星野仙一監督のもとでリーグを制覇。楽天時代は就任4年目にあたる09年に2位躍進を果たした。3球団とも強豪チームとは言えず、常にBクラスの常連だったがそれを立て直した。

 中日・与田、阪神・矢野両監督は来季、「花を咲かせる」3年目を迎える。

「(両チームとも)チーム力は高まっている。中日は左腕の大野雄大が復活した。野手も若手に有望株が多く、外国人助っ人のダヤン・ビシエドもケガで離脱したが、打点王を狙える位置にいた。阪神も投手陣が整備され、野手も大山悠輔が覚醒し打線の核ができた。ベテラン中心から中堅、若手への以降もスムーズに進みつつある。もう少しの上積みと采配次第では頂点も狙えそうな場所にいる」(在阪テレビ局スポーツ担当)

 中日は大野、福谷浩司が今季は安定感を見せ、柳裕也、勝野昌慶など高いポテンシャルを持つ先発投手も多い。野手陣も捕手では木下拓哉が出て来て、キューバ出身のアリエル・マルティネスも掘り出せた。チームリーダー高橋周平に加え、若手の石川昂弥、根尾昂など魅力溢れる選手が目白押しだ。

 チームの戦力は整ってきた感じもあるが、一方で与田監督の若手起用法などには不安の声が上がっている。

「名前だけ見れば夢がある。でも育てるには根気強く使い続ける必要があるが、与田監督にはそれがない。例えば、野手では根尾、石川の2人はどうしたいのか将来像が見えてこない。先発投手は大野以外、絶対的なピッチャーが育っていないのも気になる」(中日担当記者)

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