
巨人のセ・リーグ連覇の要因は捕手。
大城卓三にレギュラー捕手としてのメドが立ったことが大きかった。他球団との差を分けた巨人捕手陣の現状を、OBである西山秀二が解説してくれた。
「捕手は打てれば良い。守備は普通に捕球できて二塁まで球が届けば十分」
広島、巨人で堅守の捕手として鳴らした西山。守備面重視と思いきや、正反対の意見を述べてくれた。
「大城は『打てる』のが大きい。柱となる捕手がチームに1人いた方が良い。球史に残るような飛び抜けた守備力なら別だが、それ以外なら打てなくてはダメ。阿部慎之助がいなくなり、捕手難が続いた原因もそこにある。昨年くらいから大城が1番手になれる感じがしていたが、理由は明白で打撃」
00年代、巨人の正捕手は阿部だった。日本を代表する左打者で、全盛期には強打者揃いのチームでクリーンナップも任された。晩年、打撃を生かすため一塁手や代打での試合出場が増えた。同時期、ドラフトでは『社会人ナンバーワン捕手』小林誠司を獲得。正捕手移行はスムーズに行くと思われたが、コトは簡単ではなかった。
「球団として小林への期待はあった。ドラフト1位で獲って来たので、試合で使えれば理想的で全部が丸く収まる。でも散々チャンスをもらって来たが、現時点ではモノになっていない。原辰徳監督も期待しているコメントも多かった。奮起を期待していた。でも裏を返せば『できないなら使わない』ということ。そうなると他の選手を見る。チームとしては誰が出て来ても良いわけだから。大城でも(炭谷)銀仁朗でも、良い捕手を使えば良い」
『扇の要』と言われる捕手。配球、インサイドワークなど、求められることは多い。『打てる』だけで正捕手になれるのだろうか。
「リードや配球は、周囲はわからないし答えはない。結果論で『あのリードは良かった』と言われる。野球は偶然性も高いし、打ち取った打球が安打になったり、その逆もある。配球の隅々まで考えていたのは、球界の歴史を見ても野村克也さんとか数人だと思う」