シーズン途中に巨人へトレード移籍したウィーラーの残留はあるのか? (c)朝日新聞社
シーズン途中に巨人へトレード移籍したウィーラーの残留はあるのか? (c)朝日新聞社

 11月に入り、ストーブリーグの話題も増える時期となってきた。そしてここへ来て活発になってきたのが外国人選手との契約についてだ。現行のルールでは、外国人選手は決められた期間内に契約がまとまらないと自動的に自由契約となるため、今年で契約が切れる選手については早くも交渉が進んでいるケースも少なくない。

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 その一方で既に来季の契約を結ばないことが決定的な選手や、去就が微妙な選手も存在している。そこで今回はそんな微妙な立場の選手の中からそのまま残留をおすすめしたい選手、また退団が濃厚でも他球団で活躍の場がありそうな選手についてピックアップしてみたいと思う。

 まぜセ・リーグ連覇を達成した巨人で微妙な立場となっているのが今年加入したパーラとウィーラーの二人だ。メジャー通算1312安打を誇るパーラは外野の一角として期待されて入団し、開幕2戦目にはいきなりホームランも放ったがその後は故障もあって低迷。わずか47試合の出場にとどまっている。一方のウィーラーはシーズン途中に楽天からトレードで移籍し、入団直後は好調だったものの徐々に成績を下げて、シーズン終盤はベンチを温めることが多かった。ともに実績は申し分ないものの、高額な年俸を考えると揃って残留ということは考えづらい。

 一人を選ぶということであれば、やはりウィーラーになりそうだ。ファーストは今年、中島宏之が復活したものの年齢的なことを考えるとこれが続くのは難しい状況である。本職ではないもののファーストを守れるウィーラーと中島を併用するというのが妥当なプランと言えそうだ。また明るいキャラクターでチームに早くから溶け込んでいたというのもプラス要因と言えるだろう。

 最後の最後にCS争いで敗れた西武ではスパンジェンバーグ、メヒアの二人が候補に挙がる。今季新加入したスパンジェンバーグは開幕当初は1番を任されていたものの、打撃の粗さから徐々に打順を下げた。シーズン150三振はリーグダントツの数字であり、出塁率の低さも目立つ。しかしホームランこそ15本ながら、109安打中49本が長打というのは非常に貴重であり、常に全力疾走を怠らない走塁への意識の高さも魅力だ。複数ポジションを守れる器用さもあり、来年も残留が基本線と考えられるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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