連覇を成し遂げた緒方前監督から佐々岡監督に交代して迎えた今季、シーズン終盤は多少巻き返したものの、結果的に2年連続Bクラスとなる5位に終わった。新型コロナウイルス禍での開幕遅れもあったが、中心選手は調子を崩し、故障者も出た。
その中で正田が気になったのは、選手個々の根本的な野球への姿勢と、それらに対策を練ってこなかったチーム全体の責任。3連覇時からは考えられないほどの個人成績降下には、理由がある。
「手を尽くさずに悪い結果になることが多過ぎる。やることをやって結果が出ない時はしょうがない。しかし確率が少しでも上がる方法を取ろうともしない。例えば攻撃で言うと、3ボールから相手投手の最も良い球に手を出してアウトになる。これは結果への執着心とかいう精神論ではなく、野球のセオリー部分。セオリーは野球選手なら誰でも会得していないといけない技術。そこが欠落しているから、成績も信じられないほど急降下する。技術が衰えているわけだから、練習でカバーするしかない」
「セオリーにはテクニカルとメンタルがあって両方とも技術で、指導するのはコーチの仕事。必要ならば練習メニューを変えたりして改善させれば良い。また技術が足りないことを選手に気付かせるのもコーチの重要な役割。精神的な緩みも、技術やセオリーの未熟、衰えに入る。技術を徹底させて、それでも試合で同じことを繰り返すならば、監督が試合に使わなければ良い。そこまでになる前に、選手は気付かなければいけない。それも野球センスの1つ」
個々の技術力が根本的に下がり始めているのが低迷の原因の1つ。そして編成部分でも考慮しなければならないことはある。具体的にディフェンスの核となるセンターラインの再整備が必要と語る。
3連覇時には捕手・会沢翼、二塁手・菊池涼介、遊撃手・田中広輔、中堅手・丸佳浩という球史に残るような幹があった。丸が抜けた中、残った3人と新たな中堅手で賄えるのか。それとも新しいセンターラインを組み直すのか。今後のチームを大きく左右する編成の判断に注目している。