「世代交代が必要な時期も来るが、主力選手の多くは老け込むにはまだ早い。鍛え直せばさらに伸びる可能性も十二分にある。例えば、堂林翔太なんてオフになると『プロでは限界だ』という声が聞こえていたのも確か。でも本人が覚悟を持って必死にやって結果を残せた。そういう例もあるんだから、もう1度、足元を見つめ直して欲しい。組織として広島の伝統を思い出して欲しいね」
選手を育ててもFA等で引き抜かれるケースが相継いだのは、数年前のことだ。今では広島を愛し複数年を結んで残留する選手も相次ぐ。条件面でも引き止めるだけの体力(=財力)ができつつある。
真の常勝球団になるための試練の時期。かつて25年間も優勝できなかった球団が3連覇を果たしここまで来た。今回もできないわけがない。再び訪れたカベを乗り越えた先には、84年以来の日本一も現実的に見えてくるはずだ。(文中敬称略)
(文・山岡則夫)
●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。