「柱でいて欲しい選手はいるが、それが続くわけではない。丸が抜けたのは大きかったが、センターラインの残り3人は経験、実績は文句なし。しかし少しずつ下降線を描き始めているのは確かで、ここから奮起できるかが大事。そうでなければ小園海斗など、若手を早急に育成しなくてはならない。さしあたっての問題は中堅手で、外野手の数はいるが守備の軸には心許ない。ベテラン長野久義にフルで任せるのも現実的ではない。センターラインの出来が勝敗に直結するとも言えるので、悠長に構えてはいられない」

「競争心を煽ることも必要。会沢には打撃センス抜群の坂倉将吾をぶつけた。坂倉にとってはレギュラー獲得の大チャンスで必死にやる。会沢も複数年契約を結んだからといってノンビリしていたら試合に出られない。この部分は編成や首脳陣のファインプレー。しかし他のポジションはレギュラーが固定されていて、競争相手がいない。例えば、菊池の守備は日本一、いやメジャーでも通用するだろう。でも打撃内容は試合に使えるレベルではない。ライバルになれそうな選手を各ポジションに当てて、現場もチャンスをどんどん与えたら良い」

 正田は現役時代、広島の暗黒時代と強い時期の両方でプレーした経験を持つ。広島は勝たないと注目されないことを知っている。スモールマーケット球団で、巨人ソフトバンクほどの財力、選手層の厚さはない。関わるものすべてが覚悟を決めて野球に取り組み、各々が結果を残すしかないことを悟った。

「生き残る覚悟が重要。選手は誰もがプライドがあって自分が1番だと思っている。でも同じチームに主役は1人で良い。自分の役割を見つけ出し、プライドを捨て、徹底的に追求しないとダメ。誰もがそれができて1つのチームとなり勝てるようになる。3連覇を果たして世間からも注目を浴びたことで、全体的に舞い上がった。それに対して誰も何も言わなかった。球団組織として常勝軍団ではなかった」

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