97年9月2日、横浜戦でノーヒッターまで6人と迫りながら自ら交代を申し出た話は有名だ。
「1日の球数は110が目安で、あの試合もそこに近づいたから交代を申し出ただけ。目先の記録にこだわって、本来のプランを見失っちゃ元も子もないでしょう」(石井)
また所属したヤクルト(01)、西武(08)がそれぞれ日本一に輝いた日本シリーズ。テレビ映りを考慮、試合終了時の日本一達成の瞬間、誰よりも早くマウンド上の投手に抱きついている。
「(監督就任)今度はそう来たか、と。現役時代から人と違うこと、新しいことをやりたがった。2年連続監督交代も中長期で考えていた中の1つ。今回の監督就任も最終形ではなく途中経過。その先の壮大なプランに向けて『今は自分が監督になる時期』ということでの兼任。監督専任としなかったのはそのためだろう。周囲の批判に晒されようが、自分を貫く強さを持った人」(ヤクルト時代から知るスポーツライター)
「今年まではGMというグラウンド外の俯瞰的立場でチームを編成した。結果が出なくても、まずは最初のステップだと考えていた。チームの詳細を把握するための第一歩。そう考えると1年目は前年途中から1軍を率いた平石監督、2年目は2軍の三木監督を登用したのもわかる。今度は自ら実際の現場で選手個々の評価並びに不足部分を把握、今後の補強などに生かす気でいる。その上で優勝を狙える監督を迎えるのだろう」(在京テレビ局スポーツ担当)
強豪チームを作り上げるための青写真を描く。石井GM兼任監督が長年チームを指揮するとは考えにくく、その先の『大物監督』招聘まで考えている可能性は高い。
有力候補としては、元ヤクルト監督の古田敦也などの名前が噂されている。またメジャー監督経験のある外国人なども候補に挙がっていると言われる。結果を出せる確率があり、同時に世間的にインパクトある人選だ。
「勝つことはもちろんだが、同時にビジネス面での期待も大きい。例えば、古田は前回ヤクルト監督時代は結果が出なかった。しかしその後は勉強を重ねるとともに、スポーツ以外の露出も多く世間的認知度も抜群。野球理論には定評があるので可能性は感じさせる。また外国人監督ならば、国外での楽天の知名度は大幅に上がる。結果的にビジネス面が潤えば当然、チーム強化費も増える。楽天のビッグクラブ化を進める狙いもある」(在京テレビ局スポーツ担当)