楽天グループはこれまで他競技で似たような手法を用いて来た。サッカー・ヴィッセル神戸は元スペイン代表の世界的スター、アンドレス・イニエスタと超高額で契約。同時に世界的人気クラブ元FCバルセロナとの提携を結んだ。また『楽天TV』は米国バスケットNBAの独占中継も行っている。国内外需要を増やすためにもコンテンツ強化は最重要課題。そのためには楽天球団を「強くて面白い」チームにする必要がある。
「本拠地・楽天生命パークのキャパは限界がある。今後はグッズ販売やネット配信などで収益を増やすしかない。そのためには『強い』だけではダメ。『知っている人』がチームにいるという知名度も必要となる。その場合に古田は強い。また国内でのネット配信中継はNPBとして『DAZN』と一括契約の流れに進みつつある。そうなるとターゲットは米国などの海外に向くので外国人監督は大きな強み。時代の変化もあり、監督に求められるものは現場指揮のみでなく、多岐に及ぶようになった」(大手広告代理店関係者)
「僕は褒めて欲しいとも思っていない。このチームを強くしたい。魅力あるチームにしたい」(石井)
短いコメントの中には野心が見え隠れする。
02年メジャー挑戦時、「ノリで渡米した」という周囲の声もあった。しかし公にはしていないが、以前から石井本人の頭にはメジャー挑戦があり、周到な準備も進めていたという。監督交代劇やGM就任に関して、あまり良い声は伝わってこない。しかしマイペースな言動に隠れているが、もう1人の石井一久が存在するのは確かなようだ。
今後の楽天はどうなって行くのか、目が離せなくなって来た。