「自分がきれいになるためじゃなくて、実験場なんですよ」
美容外科医で美容皮膚科医の上原恵理氏は、笑顔できっぱりとそう言い切った。形成外科医になった20代後半からボトックスのシワ治療などのプチ整形を開始。30代は顔に糸を入れて引き上げる糸リフト、目頭切開、二重埋没法や鼻骨骨切りで細くすっきりした鼻筋にするなど、形を変える整形にも挑戦してきた。現在もヒアルロン酸やボトックスを注入したりと、アンチエイジングを積極的に実践中だが、自らを「実験場」と言い切ってまで追求する“美”とは何なのか。本人に話を聞いた。
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「私、最初の頃から整形について本当に何一つ隠してないんです。だから、ネットで『あいつ、整形のくせに』とか書き込まれても、そうですけどあなたに迷惑かけました? 私の体で、私が働いたお金で整形して何か問題あります? って感じですね」
上原氏の歯に衣着せぬ発言と、表裏がなく、はっきりとした性格は多くの女性から支持を集めている。自らの経験と技術に基づいて、YouTubeやインスタライブなどで美容や美容整形について正しい情報を発信し続けようとする姿勢からは、並々ならぬ情熱が伝わってくる。「今日はヒアルロン酸を唇に打ってみたいと思います。でも、不運なことに麻酔が切れているのでそのままでいきます」と言いながら、唇のどの位置にヒアルロン酸を打ったら、どう変わるかのビフォーアフターをライブ配信する医師はそうそういない。
「実験が大好きで、気になったら試してみたくなるんですよ。ほくろをレーザーで取る時に麻酔を注射するんですけど、麻酔自体が痛い。だから、どっちも痛いんだったら麻酔なしでもいいんじゃない? と思っていきなりレーザー打ち込んだらむちゃくちゃ痛くて、麻酔必要だって実感したことがあります(笑)。自分の体だし、自己責任ということで。自分の美を追求しているわけじゃないですね」
上原氏が形成外科に興味を持ったのは、医学部3年生の頃。テスト勉強中の図書館でたまたま見かけた1冊の症例写真集がきっかけだった。