こう危機感を募らせるのは、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師だ。その上で次のように指摘する。

「さらに気になるのはもっと長期的な副作用です。過去に人工の遺伝子を注射する治療で、がんや原因不明の病気になるケースが起きました。今回も遺伝子を使ったワクチンが、人間の遺伝子のどこかに組み込まれて、将来、発がんなど悪さをする可能性がゼロとは言えないのです」

 少なくとも、がんの最短の潜伏期間である5年間は追跡調査が必要だと強調する。また、ワクチン接種で、かえって感染症を悪化させる「悪玉抗体」ができる恐れも指摘されてきた。だが、極めて多数の人がワクチン接種後にコロナに感染しないと、そのリスクは見えてこない。

 日本にワクチンが入ってくるのは、2月か3月ごろになると思われる。引き続き安全性を慎重に見極めていくしかない。

 7月から予定されている東京オリンピック・パラリンピックは開催できるのだろうか。宮坂医師がこう指摘する。

「日本だけで、あるいは観客を限ってやるのなら可能です。完全に近い形で開催できればうれしいのですが、五輪に限らず経済を動かせば感染者は必ず増えます。ゼロリスクはあり得ない。長い目で見て感染リスクのほうが上回るのなら、慎重に判断するべきでしょう」

 第3波を抑え込んだとしても第4波が来る可能性は高いようだが、コロナの流行はいつまで続くのだろうか。

「その後、小さな波をいくつかつくりながら、次第に収束に向かっていくと見ています」

 まだしばらく、withコロナでの生き方を模索する時間が続きそうだ。(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2021年1月15日号

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