この記事の写真をすべて見る
 巨人から戦力外通告を受けた宮国椋丞投手(28)が、現役続行を目指し、今月に行われる西武・内海哲也の自主トレに同行する。「欠点さえ克服できれば、まだやれる」(巨人関係者)との期待はあるだけに、過去にも参加した「地獄の内海塾」で、つぼみのまま枯れかけた才能を花開かせることができるか注目される。

【写真】2度トライアウトに挑戦するも「心残り」を語った元巨人の選手はこの人

*  *  *

 昨年12月の12球団合同トライアウトに参加したが、日本プロ野球機構(NPB)の球団からはオファーがなく、自主トレを続け現役への道を模索している宮国。かつての「師」である内海哲也(西武)に、再び同行することを決意した。

 内海と言えば、2011年から2年連続でセ・リーグ最多勝に輝くなど、誰もが認める巨人の大黒柱だった。

 オフには若手らとともに合同自主トレを行うのが恒例となっており、2013年に開幕投手を任された宮国も、その一人。「内海組」とも称され、巨人の最大勢力だった。

 元巨人選手は語る。

「内海は、普段は分け隔てがなく周囲への気遣いができる男ですが、練習に関しては、自分自身にも若手にも鬼でした。彼の自主トレは圧倒的な練習量をこなすことで知られていて、特にダッシュを中心とした走り込みの量は半端じゃなく、ついていくのがやっとだった若手もいたほどです」

 ただ、結果として、それが若手の育成につながったとは言い難い。球団関係者は首をかしげる。

「内海組の選手たちは、何年たってもなかなか一本立ちしてくれませんでした。期待の大きかった宮国、小山(雄輝)らがそうです。その後、内海の成績も下降し続けたため、球団や首脳陣にとっても、内海組の存在意義が分かりづらくなっていったのは事実です」

 小山は、14年はシーズン途中から先発ローテーションの一角を任され6勝を挙げたが、活躍したのはこの年だけ。17年に楽天に移籍したものの花開かず、翌シーズン限りで引退している。当の内海も、18年にFAで巨人へ移籍した炭谷銀仁朗の人的補償として西武へ。功労者をプロテクトしなかった球団の姿勢に批判が起きたが、内海の存在を軽視したのは間違いない。

次のページ 「技術ではなく、精神的なもろさが原因」