「売れない頃、角田が当時組んでいたトリオが解散して『辞める』と言い出したため、才能のある角田を辞めさせずに世に出すことが自分の使命だと思ったとインタビューで明かしていました。また、今までは『どうすれば自分が面白くなるか』ばかり考えていたが、最近は『その場が面白くなればいい』という考えに変わったとも話していましたね。空気を読むのが重要なバラエティ番組で、より力を発揮しそうですし、何より面白い人に対するリスペクトがあるので、見ていて不快感を覚えませんよね」(前出の記者)

■劇団ひとりが慕う理由

 加えて、お笑い界では飯塚を慕う芸人も多いという。バラエティ番組を手掛ける放送作家は言う。

「例えば、劇団ひとりさんは、飯塚さんから自分に合うと思うネタを書いてくれたことがあったそうで、披露すると大ウケしたことがあると以前、バラエティ番組で話していました。人の良いところを引き出す能力があるのでしょう。また、昨年、女芸人No1決定戦『THE W』で優勝した吉住さんも、事務所の先輩である飯塚から『自分が面白いと思ったことをやり続けた方がいい』と助言をもらっていたとテレビで言ってました。飯塚さん曰く、舞台の裏で一人体育座りをしていたりと、吉住の暗い性格を案じて声をかけていたそうです。飯塚さんの場合、やりとりが自然で面白くて不快感もないので、視聴者もリラックスして楽しめる。また、同業者ウケも良く、演技の仕事でも活躍が期待できる。テレビに出れば、自ずとその名がお茶の間に浸透していくと思います」

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、飯塚に関してこう評価する。

「コントを専門にしている若手芸人にとって、東京03は今や憧れの存在になっています。毎年、大規模な単独ライブツアーで全国を回っており『コントで食っていく』という夢を実現している数少ない芸人だからです。飯塚さんは角田さんと共にネタ作りを担当していて、トリオの司令塔的な存在です。演技力があるのはもちろん、シンプルな言葉で力強く放つツッコミの技術は超一流です。その実力が最近になって、皆さんに知られるようになったということでしょう」

 質の高いコントで、お笑いファンから支持を集めている飯塚。そのお笑いスキルに加え、最近のおじさんブームも追い風となり、2021年はさらなるブレイクを果たすかも!?(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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