面白い人の周りには面白い人が集まるもんで、彼を囲む飲み会は、みんなで「あんなこといいな」「こんなことしよう」「今こんなプロジェクト進めてる」と、何と言うか、遠足前夜のような楽しみがあった。

 彼らのすごいところは「やりたい!」と大きな夢を掲げたら、「じゃ、まず何からはじめたらいいか」と現実的に計画を練って、一歩一歩実現に向けて着実に進んでいくところ。

 ジョン・レノンのような「World Peace」の精神を根底に持つ彼は、インドに学校を作ったり、ボランティア活動にも積極的で、東日本大震災の時には直後に電話がかかってきて、

「暇してる? 行くべ!」

 とまるで近所のコンビニ行くべ、と誘うような軽やかさでボランティアに誘われ、2週間後には仲間8人程で石巻に行き、専修大学のグラウンドにテントを張って、先に活動に乗り込んでいたピースボートの団体の人たちに混じって老人ホームのゴミや泥の運び出し、海苔工場の瓦礫撤去、炊き出しなどの活動を手伝わせてもらったのである。

 この話は長くなるのでまた改めて。

 いやいやちょっと、高橋歩という人の人となりをざっくり説明するだけでもう文字数が終わりそうなんだけど、で、何が言いたかったのかと言うと、先日、現在ハワイ島に住む彼と、久しぶりにオンラインでのトークイベントをやりまして、相変わらず面白くて、そこに集まった人たちも面白くて、話を聞くとみんなすごい人生を生きていて、「生き方」について考えさせられたので、そのことについて書きたかったのである。

 モロッコに移住して、子育てしながら砂漠にエコファームを作る活動をしている女の子。

 24歳で全盲になり、音を頼りに写真を撮るカメラマン。

 小さい子供3人連れて、家族で世界旅行。独立して旅行会社を設立した女の子。

 限られた時間の中で、集まった全員の話を聞くことは叶わなかったけれど、力強く生きている人ばかり。

 私はふと、こうして出会った一人一人のストーリーをじっくり聞かせてもらって、物語を作りたいという衝動にかられた。

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