あたしたちの頭の中には、「でも、この間まで政府は旅行しろっていってたしね」というのがある。2回目の緊急事態宣言で、人の出を前回ほど抑えられないのも仕方なかろう。

 テレビ番組で「年末年始になったら陽性者は減ると思っていた」と述べた菅首相。18日の演説でははじめに、「政権を担って4カ月、直面する困難に立ち向かい、この国を前に進めるために、全力で駆け抜けてまいりました」と自画自賛した。どうしたら、そうなる? いやぁ、びっくりだ。まず正直に、今までの失敗をあげて、反省するところからはじめないとダメなんでは?

 あたしたちは、コロナ対策、今までとは違ってちゃんとするという話が聞きたいのだ。その上で、ワクチンの安全性の話など、さらに深い話を聞きたいのだ。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

週刊朝日  2021年2月5日号

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