「もちろん若い女性ばっかりで。しかも、多くは10代のように見えました。周囲にいた私と同年代の人は“え、誰?”って感じでしたが、若い子の反応がすごくて。芸能人並みの人気でしたね」

 10代のころ、憧れの芸能人と知り合いになってみたい、仲良くなれたら、という気持ちを抱いたことは誰しもあるだろう。そうした誰もが抱くファン心理を利用したともいえるのだ。

 今回、被害女性に「学生証を写させた」などという手口も注目されているが、詳細まで事実かはわからない。だが、所属事務所UUUMが「インターネット上で発信された情報につきまして本人に確認しましたところ、概ね内容を認めました」と発表し、「許されない問題行為をとったと判断し」、契約解除にいたったという事実からは、被害者が自ら画像を送っただけではないというのは容易に推察できる。

 仁藤さんによると、性暴力加害者の多くは親しみを持って被害者に近づき、その手口は実に巧妙で、被害者の自己防衛が難しい場合も多々あるという。10代の女の子が何に対して興味を持つか、どんな言葉に反応するか、不安がよぎっても大丈夫だろうと思わせるようなシチュエーションを知り尽くしており、相手の気持ちうまく利用して誘い、相手が断れない状況を巧みに作り出していく。10代の場合はたいてい被害に遭っても「親バレ」を恐れて、泣き寝入りする。それも加害者はよくわかっているという。

「最近の若い子は自分の写真送るということに対してハードルが低くなっているのも確かですが、女の子に『気をつけなさい』だけでは、防げないこともあります。DMやコメント機能、ゲームなど、いまはつながる手段はいくらでもありますし、加害者となるような人はアカウントを詳しく見てその子をよく観察していますから」(仁藤さん)

 親がうちの子に限って……とは言いきれない世の中なのだ。

「今回の件に限らず、性暴力の問題で親は被害者を責めるようなことを口にしてほしくないですね。もし、自分の子どもが被害に遭ったとき、子どもから相談してもらえなくなってしまいますよ。子どもは自分が悪いのだから、親を悲しませたくないと思ってしまうのです」(同)

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ
「やらかし」と面白おかしく消費する文化は危険