入社4カ月目には吐き気がとまらなくなり、ある日、胃がつままれるような痛みが。救急病院で「胃腸炎」と診断された。翌朝、ベッドから下りようと床に足を着いた瞬間、激痛に襲われて再び病院へ。レントゲンを撮ると子宮が腫れていると言われ、紹介された別の病院で「子宮内膜症」と診断された。
数週間後、突然すべてが嫌になり、イベントの本番を初めて休んだ。布団にくるまりながら、死にたいと考えた。理由もないのに涙があふれる。通っていた婦人科で症状を伝えると、心療内科の受診を勧められ、そこで「重度のうつ」と言われた。
「昇進や、慣れないパソコン操作は大きなストレスになります。ストレスの影響は自律神経があるところには全部出て、めまいや胃の痛み、胸痛や婦人科系など多様な症状が現れます」
福島県立医科大学教授の大平哲也医師(心療内科)は、この女性の不調の原因はストレスだと指摘する。
「ストレスには段階があって、体がSOSを出す警告期にサインを無視していると、心や体が反発する抵抗期、疲れ言ってうつ病など精神的な症状も出てくる疲憊期(ひはいき)と進行していきます」
※AERA 2013年4月15日号