例えば、ベビーシッターを4~12月に1カ月の平均で50時間利用した場合、受け取る助成金は101万2500円になり、これに課税されます。年収500万円の人の場合では、この助成金が所得とみなされ、税法上は年収約601万円となり、新たに約21万円の税金を納める必要があるのです。
※東京都による「モデルケース税額表」から。税額は利用者の扶養など条件により異なります。
各種子育て助成や一人親のための「寡婦・寡夫(かふ)控除」を受けている人なら、これを収入に組み込まれると所得制限以上となって、さらに負担が増す可能性もあります。
しかし所得に加えられていた101万2500円(上記の例の場合)が、政府の打ち出した2021年税制改正で「非課税」対象とされました。納税の必要がないので、この助成金について税務署での確定申告も不要となります。非課税となるのは、「認可外」の保育施設の費用に対する助成金も同様です。
現在、3~5歳の子どもを対象となる幼稚園や認定こども園などに通わせている場合は、原則無償となっていますが、認可外保育施設の場合は助成金の対象となっています(原則、月額3万7000円まで無償)。これも税制改正により非課税対象とされました。
この他、各自治体で子育てに対する補助金や助成金を出している場合もありますので、確認してみると良いでしょう。また、企業によっては「内閣府ベビーシッター割引券」を導入(企業主導型ベビーシッター利用者支援事業)してる場合があります。
これは従業員がベビーシッター利用をした際に、企業が一定額を負担し、割引券1枚当たり2200円の割引が受けられるというものです。割引券は、1日(回)対象児童1人につき1枚、1カ月に1家庭24枚まで使うことができます。
■「産後ケア」利用料も非課税、子育て関連の贈与税への特別措置も延長
さらに「産後ケア事業」についても、税制改正が図られています。産後ケア事業とは、出産後1年未満の母親と乳児を対象に、保健師や助産師らが保健指導や育児相談などに応じるものです。