「今年の契約延長については正直、驚いた。右ひじの状態はかなり悪かったのは知っていたが、二軍でも戦力にならない状態。斎藤の持ち味はいくつかの球種を織り交ぜたコンビネーション。その柱となる真っ直ぐが全くの棒球で、武器のすべてが死んでしまう。また制球もままならず、ストライクを取りに行って打ち返される打撃投手のような惨状。同様レベルの投手ならば年齢的には若い投手を残すと思っていた。32歳というベテランの年齢を考えても、伸びしろは期待できない。かつてのような新鮮味もないので、『広告塔』の役割も果たさなくなっている」(日本ハム担当記者)

 斎藤のプロ9年間の通算成績は15勝26敗、防御率4.34というもの。昨季は二軍で19試合に登板したが、1勝3敗、防御率9.31と散々な結果に終わった。

 一方で田中は13年に24勝0敗、防御率1.27という神がかった成績を残し、楽天の球団初の日本一に貢献。オフにメジャーの名門ヤンキースへの移籍を果たし、野球の本場でも78勝(46敗)を挙げるなど、常に結果を残してきた。

「田中は何に対しても負けず嫌い。だから野球に関しては、絶対負けたくないという気持ちを持っていた。特に若い頃は斎藤の動向をかなり気にしていた。でも野球以外では良い関係を築いていたようだし、尊敬しているようだった。斎藤がマスコミに追われるのを見て、『僕だったら怒るかも。あいつは偉いな』と言っていたこともあった。自分の実力に自信もあっただろうし、『ハンカチ世代』と呼ばれることに関しては何も思っていなかった」(当時の楽天球団関係者)

 巨人坂本勇人も同じ世代を代表する選手。だが、『ハンカチ世代』と呼ばれることには嫌悪感も多少はあるようで、「それはないでしょう。僕たちはマー君世代です。プロに入って最初に活躍して、ずっと変わらずに結果を残している。僕らもずっと目標にしてやって来た」と公言したほどだ。

「坂本は高校時代に甲子園で大活躍した経験がない。また青森・光星学院(現・八戸学院光星)出身で、地方から巨人にたどり着いたという自負がある。誰よりも結果を出すことに対する意識が強い。プロで最初から活躍した田中には、敬意と同時にライバル意識が強い。斎藤にも甲子園で活躍したことへの尊敬は強く、同年代の仲間として見ている。プロ入り後の結果から、『ハンカチ世代ではない』と発言したようです。まあ、究極の負けず嫌いですからね」(巨人担当記者)

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「ハンカチ世代」という言葉は忘れ去られる?