田中、坂本以外にも88年世代には一流選手がずらりと並ぶ。
米国には、昨シーズンにサイ・ヤング賞の候補に名前が挙がる投球を披露した前田健太(ツインズ)。そして、昨季からメジャーに挑戦している秋山翔吾(レッズ)がいる。国内にもソフトバンク日本一4連覇の立役者、柳田悠岐、沢村賞を獲得した左腕の大野雄大(中日)、DeNAのヒットメーカー、宮崎敏郎など数え上げたらキリがない。
「甲子園の影響は否定できない。全国優勝すればテレビ地上波全局で顔と名前が全国に流れる。ここでの宣伝効果は絶大で、プロに入ってからも注目度は大きい。斎藤は英雄として祭り上げられ、『ハンカチ王子』の名前が一人歩きした。流行語大賞にもノミネートされた程ですからね。同様に『ハンカチ世代』という呼称が浸透するのも当然。実力とは関係ない部分なので、坂本のように納得できないのもわかる。あれからひと回り(12年)以上しているわけだから、業界的には古い表現ですけどね」(在京テレビ局関係者)
だが、斎藤のニュースとともに『ハンカチ世代』という言葉ををいまだ耳にすることもある。それだけ強烈なインパクトを残したということだろう。
しかし時は流れ、88年生まれの選手の序列は高校時代とは大きく変貌を遂げている。“ハンカチ世代”という呼称が消え去る日も近いのかもしれない。