「最近はテレビで見かける機会が増えましたが、実は5年近くも民放の連続ドラマには出演していなかった。30歳になった時、その間に培ってきたものを映像で発揮できればと、舞台に打ち込んでいたそうです。そんな芝居に対して一生懸命なところも、先輩から見れば応援したくなるのでしょう」(同)
■時代劇でも才能を発揮し話題に
続けて、「さわやかな笑顔もポイントが高い」と前出のテレビ雑誌編集者が話す。
「昨年、笑顔が輝いている著名人に送られる『ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー』を受賞したほど。笑顔が素敵な後輩は印象が良く、つい先輩も笑顔になりますし、もちろん良い関係を築ける。溝端の場合、それでいて芝居に対して真摯で、そんな可愛い後輩感が『天国と地獄』で演じている役柄にも表れているのでしょう。さらに、同年代で後輩キャラは見当たらず、可愛い後輩役は溝端の独壇場になる可能性もありますよね」
ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな溝端の今後についてこう分析する。
「2018年のシーズン3まで制作され、1月にスペシャル版が放送された時代劇『立花登青春手控え』(NHK BS)では、主人公の青年医師をみずみずしい演技と共に魅力的に演じ、多くの視聴者から支持を受けました。本人にとって初の本格時代劇の主演で、地上波では現在シーズン2が放送中です。こちらは、もともと2017年の作品なので20代の溝端が堪能でき、その後の飛躍の片鱗(へんりん)もうかがえて非常に興味深い。今でも十分、俳優として立派なポジションについていると思いますが、いつかは後輩キャラから脱皮し、後に続く若い俳優に背中を見せていく時期が必ず来ます。その時に真価が問われると思うので、それまではさまざまな人生の先輩たちとの共演を重ねて、じっくり力を蓄えていってほしいですね」
まさに、今作の後輩刑事役がハマり役と言える溝端。綾瀬はるかと高橋一生の圧倒的な演技力が反響を呼んでいるが、溝端も独自のポジションを確立しそうだ。(丸山ひろし)