スマホのカメラレンズに指を当て、脈拍でストレスを測ってくれるアプリも、ストレス度の目安になる(撮影/写真部・関口達朗、福光恵)
スマホのカメラレンズに指を当て、脈拍でストレスを測ってくれるアプリも、ストレス度の目安になる(撮影/写真部・関口達朗、福光恵)
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「ストレス」という言葉が一般的になってきてから、その解消法も数多く登場してきた。しかし、これまでストレスに効くとされてきた習慣のなかにも怪しいものがけっこうある。そのひとつが、ストレス解消の定番「飲酒」だ。誰かと一緒に飲めば気分転換にもなるが、一人酒はNG。考え込んでストレスの悪循環に陥るという。

 睡眠そのものはストレス解消に有効だが、寝だめはやめたほうがいい。遅くとも平日の起床時間の2時間後ぐらいにとどめないと、体内時計が狂ってしまい、体はぐったり、脳はぼーっとしてしまう。

 もうひとつ、「ポジティブ思考」も取扱い注意。

「楽観的に考えることも、有効なコーピング(自分自身でストレスに対処する方法)になりうる。その経験をエネルギーにするためにも、起こってしまった問題の、いい面を探してみることです」(早稲田大学人間科学学術院教授で、認知行動療法が専門の嶋田洋徳さん)

 そう嶋田さんも言うように、ポジティブ思考はストレス対処に欠かせない。ここで思い出したのが、スマホのアプリ「ネガポ辞典」。たとえば「計画性がない」は、この辞典によると「土壇場に強い」となり、「失敗した」は「のびしろがある」となる。ジョークかと思ったが、ためしにストレスを感じたとき、これで気持ちを変換するだけで、けっこうその気になれた。

 ただしそんなポジティブ思考も、ストレスが積み重なっている「疲憊期(ひはいき)」には逆効果になることもあるとか。自らを励ますのではなく、すぐに休養することが肝心だという。

AERA 2013年4月15日号