首相会見を仕切っていた山田真貴子元広報官(中央)(C)朝日新聞社
首相会見を仕切っていた山田真貴子元広報官(中央)(C)朝日新聞社
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 3月1日、山田真貴子内閣広報官が辞職した。山田氏は連日、菅義偉首相の長男・正剛氏らからの接待問題で批判を浴びており、2月28日から体調不良を理由に入院。1日の衆議院の予算委員会は欠席が伝えられていたが、同日に辞職願を受け取った政府が、持ち回り閣議で辞職を認めた。菅首相に厳しい質問をする記者は指さないなど「進行に偏りがある」と一部で指摘されてきた首相会見は、山田氏の辞職によって変わるのだろうか。

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「ご病気ということで回復を願うばかりですが、今回の接待問題は、広報官を辞めたところで解決することではないですし、今後も説明責任を果たしていくべきです。政権側が『辞めたから出てこなくてもいい』とかばうのなら、何かを隠していると思わざるを得ません」

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、山田氏の突然の入院、辞職についてこう語る。そして、広報官としての資質にも疑問を呈する。

「あくまでも、自分の立場や政権を守るための広報で、国民に伝えることを第一とした広報ではなかったのではないか」

 だが、菅首相は2月24日の時点では「本人は深く反省し、おわび申し上げている。やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と山田氏を続投させる考えを表明していた。

 さらに、26日に菅首相は緊急事態宣言の先行解除に関する記者会見を予定していたが、急きょ、囲み取材に変更された。野党からは、山田氏を記者の前に出さないための「山田隠し」ではないか、と批判された。菅首相はこれを否定したが、記者からの質問にはイラ立ちをあらわにした。

「囲み取材では、(緊急事態宣言の一部解除を発表する)重要な局面で会見をしないというのはおかしいという質問が集中しましたが、首相は『同じ質問の繰り返しだ』と反論しました。会見は番記者に対してではなく、国民に対する説明の場なのだという考え方があれば、あのような態度にはならないはずです」(角谷氏)

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「(首相が)答えられそうな質問する記者しか当てない」