さらに、メーガンさんは「生きているのが嫌になって、自死を考えたこともあった」と口にした。現在は英米共にメンタルヘルスを重要視しており、「困難を打ち明けたのは勇気がある」(アメリカ大統領報道官)と称賛する声が上がった。一方でイギリスでは、高価なブランド品を身にまとい、ロンドンとNYをプライベートジェットで往復してベビーシャワーを最高級ホテルで祝い、また育児休暇中にテニスのセリーナ選手を応援に再びNYに飛んだメーガンさんが、実は自死を考えるまでに思いつめていたのかと、驚く声が新聞のコメント欄などで見られた。

 9日にイギリスのテレビに出演したメーガンさんの父親トーマス・マークルさん(76)は、自死まで考える妻を、夫であるヘンリー王子はなぜ守れなかったのかと疑問と不満をあらわにしている。

 メーガンさんとヘンリー王子のこうした発言に、動いたのはエリザベス女王(94)だった。チャールズ皇太子(72)とウィリアム王子(38)に声をかけ緊急会議を開いた。異例の声明は早くもイギリスでの放映翌日に発表された。

■若年層はメーガン支持

 エリザベス女王はまず、「ハリーとメーガンにとって過去数年間がどれほど困難だったかを知り、家族全体が悲しんでいる」と気持ちを寄せた。次に「いくつかの記憶は異なるかもしれないが」とやんわり認識の違いを示唆しつつも、「提起された人種の問題は懸念される。真摯に受け止め家庭内で対応する」と確約した。

 イギリス国内には、現在アジア系・アフリカ系などのマイノリティーが15%ほどいるとされ、その割合は年々増加している。また、英連邦にはアフリカやカリブの国が多く加盟している。こうしたなか、女王は人種差別問題に対して特に厳しい姿勢を取ってきた。

 番組への反応は、イギリスとアメリカとで異なった。アメリカでは、ヘンリー王子とメーガンさんに同情的な意見が多く、イギリスでは世代によってその反応に差が出た。

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