その点小室さんは、若い人たちには自分たちと同じように感じられる。皇室が大切にしてきた「丁寧に語る」ことをしないことも、炎上のガソリンを投下してしまっていると河西さん。
「人には上昇志向的な部分と自己犠牲的な部分と両方がある。例えば紀子さまが秋篠宮さまと結婚した時、上昇したいという思いがゼロだったかといえばそうではないでしょう。でも当時、マスコミは『キャンパスの恋』『3LDKのプリンセス』という美しいストーリーを描き、国民も受け入れ、祝福しました」。結婚する人、国民、双方の微妙なバランスで成立していたこの関係、今後は崩れるだろうと河西さんはみている。
「これから皇族と結婚しようという人は自己犠牲の思いがあったとしても、上昇志向的な面を粗探しされてしまうでしょう。100パーセント無私の人などいるはずもなく、佳子さま、愛子さま、悠仁さまの結婚のハードルはすごく上がってしまった。小室さん、罪だなあと思います」と河西さん。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2021年3月29日号より抜粋