武田氏は、総務官僚が国会で真実を述べず、週刊文春で新事実が出るとそれをしぶしぶ認めるという姿勢に対し苦言を呈し、総務省の職員144名に対して宣誓書を出させて真実を述べさせると胸を張った。しかし、自身がNTTと会食をしたかについては、「個別のことについては答えを差し控える。国民の疑念を招く会食はしていない」と何十回も繰り返し、「文春砲」で会食の事実をすっぱ抜かれると、やっとその事実を認めた。
官僚に真実を話せと言いながら都合が悪くなると口封じで退職させ、自らの不祥事については、ダブルスタンダードで真実を隠す。こんな政治家は大臣を辞めるべきだ。
実は、菅義偉総理も、疑惑の渦中にある元総務審議官・山田真貴子内閣広報官を辞職させて口封じを図り、自身のNTTとの会食の有無について回答を拒否した。武田氏と双子の兄弟なのか。武田総務相の退任では済まない。菅総理も退場すべきだ。
※週刊朝日 2021年4月2日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など