本当の意味で荒んだ生活をしているように見える人は、テレビの中心に立つタレントにはなれない。芸能人にとって、こぎれいな見た目であることは何よりも重要なのだ。
いい歳をした大人が悪ぶっているのはイメージが良くない。しかし、過去にヤンチャしていた時期があるような「元ヤン」キャラは、芸能界ではむしろ人気が出やすい。その堂々としたたたずまいが好印象を与える。
そして、これは多人数を力づくでまとめる必要があるMC向きのキャラクターでもある。浜田雅功、有吉弘行、ヒロミ、加藤浩次など、強面でどこか荒々しいところのある人の方が、番組全体を引っ張っていく役回りには適している。
濱家がMCとして評価されつつあるのは、彼の「元ヤン」キャラが人気を博しているからだ。今の彼はテレビで高圧的に振る舞ったりすることはほとんどないが、芯の強さを感じさせるので、見た目がこぎれいでもなめられる心配がない。「更生したヤンキー」こそが芸能界では最強なのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)