かまいたちの山内(左)と濱家(C)朝日新聞社
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 かまいたちが好調だ。お笑い界全体を見渡しても、彼らほど急速かつ圧倒的に仕事を増やし続けている人はいない。「いま最も勢いのある芸人」「頭一つ抜けた存在」などと形容されることもある。時流に乗って一時的にもてはやされているわけではなく、自分たちの冠番組をどんどん増やし、それらを維持して堅調な歩みを見せている。

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 レギュラー番組だけでも十数本あり、『かまいガチ』(テレビ朝日)と『かまいたちの机上の空論城』(関西テレビ)はこの春に放送時間帯が繰り上がる。テレビ業界の彼らに対する信頼と期待は高まる一方だ。

 かまいたちがここまで飛躍したきっかけは、2019年の『M-1グランプリ』で準優勝したことだった。ここで彼らの面白さが多くの視聴者に伝わり、テレビ出演の機会が増えた。「ポスト千鳥」の最有力候補と期待されていた彼らは、与えられたチャンスを生かして、着実に仕事を増やしていった。

 この春の改編では、そんな神がかり的なかまいたちの勢いがさらに別次元に達したと思われるようなことが起こった。それは、ツッコミ担当の濱家隆一が単独でMCを務める番組が新たに始まることだ。

 日本テレビの朝の情報番組『ZIP!』では濱家が新たに水曜パーソナリティに就任することになった。加藤浩次、設楽統、川島明などと並んで朝の情報番組のMCに抜擢されるのは、芸人として格が上がったことを意味している。さらに、テレビ東京でも濱家がMCを務める深夜番組『芸人動画チューズデー』が始まる。

 お笑いコンビがテレビで人気を博すと、ツッコミの方が単独でMCを始めるようになることがある。そのような形で起用されるのは、単にコンビとして笑いを作ることだけではなく、番組全体を仕切る能力を評価されていることを意味している。かまいたちが、特に濱家が、今ここまで勢いに乗っているのはなぜなのか。

 そのきっかけはもちろん『M-1』だが、そこから仕事が絶えないのは、彼ら自身がそれまでとは違う形に進化を遂げたからだろう。よく言われているのは「濱家が先輩からいじられるキャラになった」「濱家がやせてすっきりした見た目になった」という2点である。

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くすぶっていたのに大化けしたのは濱家のある変化