そこで、河野氏が再エネ推進と脱原発を合わせて、思い切ったエネルギー政策の転換を唱え、それが通らなければ、閣外に出る、という場面を作れば、国民の高い支持を集め、総裁選に出る機運が盛り上がるだろう。温暖化対策担当の小泉進次郎環境相とタッグを組めば大フィーバーになる。逆に菅総理は、原発推進、電力業界との癒着を批判され、支持率が大きく下がる可能性が高い。

 そうなれば、総選挙を控えた自民党議員らは、菅氏よりも河野・小泉連合に賭けたほうが選挙に断然有利と見て、雪崩を打って河野支持に回る。

 そんな戦略を考えてみてはどうか。次に会うとき、河野氏に聞いてみたい。

週刊朝日  2021年4月16日号

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など