横浜FC、仙台の両チームで際立つのが失点の多さ。チーム再建の基本である「まずは守りから」に立ち返らなければ、現在の黄信号は、あっという間に点滅し、赤色に変わってしまう。「4チーム自動降格」故に、史上最速のJ2降格決定となる可能性も、非常に高くなる。

 湘南と大分も危ない。今季がJ1復帰4年目の湘南は、素早い攻守の切り替えを軸に、ハイプレス&カウンターの「湘南スタイル」で戦ってきたが、昨季は18チーム中18位。状況打破のため、シーズン開幕を前に12人の新加入選手を発表したが、同時に多くの主力が流出して戦力値はむしろ低下した感がある。走力が基礎となる「湘南スタイル」を貫くためには、まだ涼しく、疲労蓄積のない春先に勝点をできるだけ積み上げておきたいところだが、開幕8試合を1勝3分け4敗の苦しい滑り出しとなっている。

 片野坂知宏監督就任6年目の大分は、GKも含めた後方からのビルドアップからの“疑似カウンター”を駆使する「片野坂スタイル」で戦ってきたが、最近はその戦術が有効機能しない試合が増加。J1で3年目のシーズンを迎える中で相手チームから研究されると、それを打破する力はなく、開幕7試合を1勝2分け4敗スタート。湘南と大分はここ数年、信念を持って同じ戦術で戦ってきただけに、戦い方を変えることに対する拒否感とリスクもあるだけに難しいところだ。

 現在18位のG大阪は、活動再開以降も勝ち切れない試合が続き、夏場の連戦も懸念されるが、戦力的には2チーム分を作れるほど選手層が厚く、試合さえ実施できれば必然的に勝点は積み上がってくるだろう。その他、スロースターターの鹿島も歯車が噛み合いさえすれば、昨季同様に連勝街道に突入できるはずだ。

 開幕6試合を1勝3分け2敗だった浦和も、その後に2連勝を飾って上昇気流。J2降格候補だった徳島は、ポヤトス監督不在の中でも3連勝を飾って勝点11の9位。同じく厳しい戦いが予想された福岡は、しぶとい戦いを披露して勝点9の11位。もちろん安心するのは早過ぎるが、ひとまずは手応えを感じながらの序盤戦となっている。

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