※写真はイメージです (GettyImages)
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運動機能低下度サイン (週刊朝日2021年4月16日号より)
運動機能低下度サイン (週刊朝日2021年4月16日号より)
石橋医師提供 (週刊朝日2021年4月16日号より)
石橋医師提供 (週刊朝日2021年4月16日号より)

 巣ごもり生活のストレス解消にと、いきなりスポーツを始めてはいないだろうか。筋力が落ちた状態での急な運動はケガのもと。まずは自身がどんな状態か、四つのサインで確認してほしい。一つでも当てはまるものがあれば、ストレッチとおだやかな筋トレで慣らしてから動き始めよう。

【チェックリスト】あなたは大丈夫?運動機能低下度サインはこちら

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「緊急事態宣言が明けて、会社に行くようになってから、足が痛くなった」

 足を専門に診療する「足のクリニック表参道」(東京都渋谷区)には、この1年、こんな悩みを抱える患者が何人か来院した。同院長の桑原靖医師は言う。

「筋肉や関節を動かさないと、足の機能はどんどん低下し、痛みが出る限界値がどんどん下がっていきます。その結果、今まで普通にできていた通勤レベルの運動でも、足を痛めてしまうのです」

 首都圏の緊急事態宣言が明けてはや2週間。体を動かすには最高の季節だ。だが、長い巣ごもり生活から、いきなり運動をするのは、ちょっと危険かもしれない。

「体を動かすにはバランス(動きをコントロールする機能)や俊敏性、柔軟性も必要で、単に筋力があればいいというわけではありません。1年あまりの巣ごもり生活で、これらすべての要素が落ちている可能性があります」

 こう指摘するのは、運動器の問題に詳しい伊奈病院(埼玉県伊奈町)副院長の石橋英明医師。「運動機能低下度サイン」を用意した。一つでも当てはまれば足腰が弱っている可能性が高い。

「『立ち上がりテスト』は寝たきりのリスクが高まるロコモティブシンドローム(ロコモ)を判定するテストの一つです。定期的に確かめることで、ご自身の運動機能の変化も確認できます」(石橋医師)

 運動機能が低下した人が運動をがんばりすぎると、どんな問題が起こるのだろうか。

「まず心配なのが、痛み、特に膝痛ですね。筋肉は関節を動かすだけでなく、関節を支える働きもあります。そのため筋力が落ちると関節が不安定になり、その状態で運動をすると、余分な痛みが出やすいのです」(同)

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