

ドラマや映画で活躍する名バイプレイヤー(脇役)、光石研さん。これまで演じた人物は数知れず。「知名度はぜんぜん上がってない」と笑いますが、誰もが一度は目にしたことがあるはず。光石さんの役者人生に、作家の林真理子さんが迫ります。
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林:このあいだ、光石さんと仲良しの松重豊さんにも、このコーナーに出ていただいたんです。
光石:そうですよね、読みました。
林:松重さん、女性編集者にファンが多くて、「キャー素敵!」というLINEをいくつかもらっちゃいました。
光石:すごいですよ、彼の勢いは。本も書いちゃって。
林:「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」という映画がいま公開中ですけど、松重さんや光石さんを始めとする、4人の名バイプレイヤーと言われる方たち(光石研、田口トモロヲ、松重豊、遠藤憲一)を中心に、たくさんの脇役の方たちが実名でお出になっているんですね。みんな楽しそうに映画をつくってらして、映画の現場っていいなあと思わせる作品でした。
光石:そう言っていただけると、とってもうれしいです。これはテレビ東京の深夜枠のドラマ(「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」2017年)から始まったんです。大杉漣さんがみんなのまとめ役になって、当初から「これが映画になればいいね」みたいなことをおっしゃってたんです。途中で大杉さんが突然お亡くなりになりましたけど、映画にしたいという大杉さんのその思いがスタッフにも伝わって、何とか実現したんですね。
林:そういうことなんですか。脇役の皆さん、すごく楽しそうに演じてらっしゃいましたけど、皆さんほんとにあんなに仲いいんですか。
光石:仲いいですよ。同世代のおじさん連中がこんなに集まることってなくて、映画一本でこの中のせいぜい二人とか、ドラマだったら一人とかなんです。おじさんってそんなに需要があるわけじゃないですからね。それなのに、同じ年ぐらいの人たちがこんなにいっぱい集まったから、そりゃ楽しかったですね。