補強で巨大戦力を手にしたが、爆発的な強さは発揮できなかった。また他球団の主力を相次いで奪うことで、世間からバッシングも生まれ始める。球界再編などもあり、球団内でも自前選手を育てる重要性が議論され始めた。坂本勇人岡本和真など『生え抜き』の主力も出現した。しかし現実的に、いまだ移籍選手に頼らないといけない体質は変わっていない。

「育成方法が言われるが、その前の入り口であるスカウティング能力が低い。スカウト部にはフルタイムで10人前後の人材がいて、全国をカバーする。しかし地方球界や独立リーグなどでは、注目選手が登場する時以外、巨人スカウトをあまり見かけない。埋もれている好素材が見つからない理由かもしれない」(アマチュア野球に詳しいスポーツライター)

「入団してから故障が発覚、悪化する選手が目につく。素材が素晴らしくても、高額な契約金でドラフト上位で入団して別メニューでは話にならない。中央球界の即戦力選手を指名する方針なら、練習も含めて徹底的にマークして故障持ちかどうかの判断はできる。昨年も手術経験者2人を上位指名しているが、先行きは不安です」(巨人担当記者)

 過去にも17年1位の鍬原拓也は、入団時から右ヒジの違和感がありキャンプから三軍スタート。3年目の20年には右ヒジを骨折して同年オフに育成選手となった。19年1位の堀田賢慎も入団直後にトミー・ジョン手術を受け、入団1年で育成選手となっている。また20年1位の平内龍太は大学4年春に右ヒジのクリーニング手術、2位の山崎伊織も右ヒジのトミー・ジョン手術を受けている。可能性に賭けたと言えばそれまでだが、ギャンブルと言われてもしょうがない。

 ドラフトで即戦力が獲れない。将来性豊かな選手も見つけられない。下部組織から上がってくる若手が少ない。それならば他球団からの補強に頼らざるを得ない。FA、トレードを最大限駆使して足りない選手を獲得する。すでに試合に出ている選手でもあるので、長短所はわかっている。大きく外すリスクも低い。

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補強が続く理由は巨人の勝利への執着心?