私は反貧困ネットワークの代表世話人をしていますが、ゴールデンウィーク中の5月3日と5日に開催した「大人食堂」には、2日間で500人以上が食料を求めて訪れました。そこに来た人から、仕事や住まいを失ったという相談を受けました。昨年の緊急事態宣言では一律の定額給付金がありましたが、2回目と3回目にはない。休業や時短の要請に従い経営が苦しくなった事業者に対する支援や、ひっ迫した医療現場の対策など、東京五輪に使う予算は困っている人のために回すべきです。
先進国でワクチン接種が進んでいるところは感染が収まってきていますが、インドでは爆発的に増えています。日本国内も緊急事態宣言下にあり、世界的なパンデミックが収まっていない状況での国際大会開催は慎重であるべきです。パンデミックを克服したあかつきに、主催国だけでなく、世界中が歓迎できるオリンピックを実現させるという決断を、バッハ会長は下すべきだと思います。
7日には、大会組織委員会の橋本聖子会長が今月17日からの日程で調整中だったバッハ会長の来日について「非常に厳しいのではないか」との見解を示しました。この署名はバッハ会長の来日を前提に始めたため、適切な時期に集約して東京都など関係機関に提出する予定です。中止が決まるまで、署名を続けたいと思います。
(構成=AERA dot.編集部・岩下明日香)