ワクチン接種を受ける男性高齢者(C)朝日新聞社
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上遠野修(かとうの・おさむ)町長(C)朝日新聞社
上遠野修(かとうの・おさむ)町長(C)朝日新聞社

 新型コロナウィルスワクチンの高齢者に対する接種が始まり、全国の自治体のコールセンターには電話が殺到し、つながりにくい状況が続いている。しかし、茨城県城里町ではこともあろうに、42歳の町長、副町長、教育長ら3役と幹部職員15人らが高齢者よりもひと足先に、ワクチンを接種していたことが、AERAdot.編集部の調べでわかった。

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 城里町は茨城県水戸市の北西部にあり、人口約1万8000人の小さな町。 町議会幹部によれば、42歳の上遠野修(かとうの・おさむ)町長がワクチン接種を受けたのはゴールデンウィークのに入る前の4月28日。事態を知った町議会の関誠一郎議長はこう憤る。

「こんな自治体は全国的にみても、どこもないですよ。まだ、おじいちゃん、おばあちゃん、特定疾患を持っている人らも打ってないのに、若い地方自治体の首長が優先的に接種するようにするなんて…」

 町長ら3役が接種したのは、医療従事者や介護施設、介護従事者らのためにと、国から城里町に届けられたものだった。

「ワクチン第一便が届いても上遠野町長らは議会にも何も知らせず、町役場の隣にある施設で、医師たちからワクチンを接種してもらったようです。早く打ちたい、というノリでね。ゴールデンウィークが明けた5月6日、町の課長以上の幹部会議が開かれ、上遠野町長らが出席。その場で、自分たちが打ったことを明かしたそうです。接種後の症状について、『頭が痛く腕も痛かった』などと感想を語っていたそうです」(町議)

 上遠野町長は東京大学経済学部卒。大林組や楽天などを経て、7年前の2014年に当時36歳で、茨城県最年少の町長として立候補して当選。現在2期目だ。

 ワクチン接種はまず、高齢者に対し、市町村から「接種券(クーポン)」が配られ、これから本格的に接種が始まる。町長ら3役がワクチンを接種したという話は一部の住民たちにすでに知れ渡っているという。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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