「『町長はまだ42歳と若いのに、何故、じいちゃんばあちゃんより先に、ワクチンが打てたんだ』と怒りをかっています。自分たちだけは特権階級、上級国民だとでも思っているんですかね」(城里町の住民)
役場の職員は約200人。そのうちのワクチン接種のプロジェクトチームのメンバー約15人が上遠野町長と副町長、教育長ら3役と一緒にワクチンを接種したという。
「うちの町では85歳以上にクーポン券を350人分発送し、これから高齢者ワクチンの接種が始まるんです。一番やってはいけないことだと思います」(前出の関議長)
上遠野町長に何度も取材を申し込んだが、町役場の広報担当は「町長が、そういった問い合わせには答えないで欲しいと言っております。私からは何とも言えず……」と答えるばかりだった。
上遠野町長の携帯電話に電話を入れると、「どちら様ですか」と聞かれ、記者が名乗ると、「ちょっと、登録してないとどなたかわらないので失礼します」と一方的に電話を切った。
次に教育長(67)を直撃した。すると、ワクチンを4月28日に町役場の隣の保険センターで接種したことを認めた上でこう釈明した。
「町長と副町長と私とワクチンを接種しました。役場の担当から『受けるように』と知らせがあったので…。私は65歳を過ぎていますが、『いいのかな』という後ろめたさは若干ありましたが、『役とくかな』とも思い、打たせてもらいました」
一緒に打った副町長も65歳を過ぎているという。
「国がもたもたしている。2~3週間後にはみんな打つものだと思っていた。私も3役のはしくれで、教育行政を預かっているので、もし、私が罹ってしまって、業務が停滞したり迷惑がかかってはいけないと思いました。町長もそういう思いだったのでしょう」(教育長)
ワクチンを接種した後の症状については「私は左腕の痛みは2~3日ありましたね」と話した。
上遠野町長は住民と議会の疑問に答えるべきではないか?
(AERAdot.編集部 上田耕司)