だがG1で2着4回のステイゴールドを上回る善戦マンも競馬史には存在する。海外G1を制したシーキングザパールを母に、世界的な名種牡馬ストームキャットを父に持つ良血馬シーキングザダイヤだ。
当初は芝でも走っていたシーキングザダイヤはダートに主戦場を移して長く活躍した。だが川崎記念やフェブラリーステークス、ジャパンカップダートにJBCクラシックなどで、タイムパラドックスやメイショウボーラー、ユートピアにカネヒキリ、アジュディミツオー、アロンダイトらに主役の座をことごとく譲り続けた。
その間になんとG1レース(Jpn1を含む)で2着9回。これはJRA所属馬としては今なお最多記録だ。ちなみに現役時代に勝ち運に恵まれなかったのと引き換えなのか、引退後は南米チリで種牡馬として成功。多くのG1馬を輩出している。
2014年の菊花賞2着馬サウンズオブアースも、有馬記念とジャパンカップでの2着を含めて重賞で2着が7回もありながら重賞勝ちには手が届かず。30戦してわずか2勝で引退し、主な勝ち鞍は3歳春の条件戦である、はなみずき賞だった。
2018年の菊花賞2着馬エタリオウ(ステイゴールド産駒)はさらにその上を行く。デビュー2戦目に未勝利戦を勝った後は青葉賞まで4戦連続で2着。ダービーこそ4着だったが、秋には神戸新聞杯と菊花賞でまたしても2着を続け、翌年の日経賞も2着だった。こちらは通算17戦1勝。主な勝ち鞍は最後まで未勝利戦だった。
現役では牝馬のカレンブーケドールが善戦ウーマンとして名を馳せている。3歳春にオークストライアルにあたるリステッドのスイートピーステークス勝ちはあるが、肝心のオークスではラヴズオンリーユーの2着。以降もG3紫苑ステークス3着を挟み、秋華賞とジャパンカップの両G1、翌年の京都記念とオールカマーの両G2まで4戦連続2着だった。今年もG2日経賞2着、G1天皇賞(春)3着と善戦どまりのレースが続いている。