2014年5月。宮内庁が、高円宮家の次女、典子さんと出雲大社の千家国麿さんの婚約が内定して間もないころ、永田周辺や男系論者の間で、こんな話しが飛び交った。
「水面下で、秋篠宮家の内親王と旧皇族とのご結婚の可能性が探られている」
「秋篠宮家の紀子さまも、否定的ではないようだ」
具体的な動きはつかめず、うわさは立ち消えになった。だが2年後、天皇の退位問題で、ふたたび「女性宮家創設」問題が浮上した。2012年、野田内閣のもとで検討されたが、「女系天皇につながりかねない」と保守層の猛反発を受けた案である。
このときも、「男系男子による皇統の維持」を主張する安倍政権は、反対の姿勢をみせていた。だが、次第にこんな考えを漏らすようになった。
「旧皇族の男系の男性と結婚する女性皇族がいたら、宮家を創設してもいい」
結果として、議論は天皇の退位に限定され、「女性宮家創設」が進展することはなかった。しかし、首相周辺は保守系の学者らに、旧皇族につながる男系男子に関する情報の整理を依頼しはじめたという。
男系男子による皇統の維持を主張する保守層は、自民党の支持者でもある。神社庁の関係者は、こう話す。
「将来、女系につながりかねない女性宮家の創設は、認められない。しかし、女性皇族が男系男子につながる旧皇族との結婚に相手を限定すれば、男系は維持される。それならば、女性宮家を認めてもいい」
ある研究者は、旧皇族や歴代天皇と男系でつながる旧華族のなかから、愛子さまや眞子さま、佳子さまと年の近い男系男子をピックアップしたことがある。
5歳の年齢差で区切っても、愛子さまの「お相手」で3人、眞子さまで5人、佳子さまで4人ほどが該当した。
「あくまで資料として作っただけです。政治や皇室に影響させるつもりはない。いまの時代に、ご本人の意思に反して、結婚など成立するものでは、ありませんから」(先の研究者)