眞子さまの結婚問題で、保守層からはこんな声が漏れ始めている。
「皇室から民間に出る女性皇族だからといって、お相手が誰でもいいわけではない。ご本人の意思にゆだねた結果が、前代未聞のスキャンダルにまみれたのだ」
1947年5月の新憲法施行で華族制度は廃止され、日本に階級制度はなくなった。だが、皇室のメンバーは、生まれながらにして住居や生活費が保障される「特別なご身位」にある一方で、戸籍も住民票を持たず、選挙権もなければ、公的医療保険が適用されることもない。
「平等や資本主義社会のなかで、皇室だけが前時代の身分制度の枠に閉じ込められたままだ。それでも皇室は、国民に寄り添い、人びとの精神的な拠りどころとなるべく支えて来られた」(前出の研究者)
別の元宮内庁関係者は、皇族が生身の人間であることを主張し過ぎてしまえば、もはや皇室制度は維持できないと感じている。
「眞子さまの結婚問題が象徴的です。秋篠宮ご夫妻も、親の立場にたてば、好きな相手と幸せな結婚をして欲しいとお考えでしょう。愛子さまの結婚のお相手を旧皇族にーという話も長年皇室を支持してきた保守層の希望に過ぎない。現実的ではないと理解はしている。しかし、愛子さまが、伝統によってたつ皇室を守る最後の砦だと思いつめてしまうほど、彼らのなかで令和の皇室への失望は大きいのです」
皇室や世界の王室のメンバーは、生身の人間として幸せをつかみながら、同時に国民の拠りどころであり続けようと、その人生を歩んでいる。
令和の天皇陛下は、皇太子の時代から、新しい皇室のあり方を模索し続けてきたと言われている。令和の皇室は、眞子さまをはじめ、佳子さまや愛子さまの結婚に、どのような判断を示すのだろうか。
(AERAdot.編集部 永井貴子)