■シーンとした家でお茶
共通点はそれだけではない。
新垣さんは公式ファンクラブのサイトで発表した結婚の「ご報告」の中でこう記した。
「現場で試行錯誤する日々はそれはそれは刺激的な毎日で、いつしかその分、私生活は低刺激な時間を求め心がけ過ごしてまいりました。」
ここで星野さんが新垣さんについて書いたエッセーを引用させてもらう。
<10代から活躍している彼女には、想像をはるかに超えるいろいろなことがあったはずだ。最初から今のようだったわけではおそらくないだろう。そんな中で彼女は、仕事場での誠実さを見つけ、さらには並大抵の俳優がたどり着くことができない、「普通」というものを自分の力で手に入れたのだ。>(『いのちの車窓から』)
「逃げ恥」を経て、星野さん自身も「国民的スター」になった。その状況について、恋ダンスの振り付けを手がけたMIKIKOさんとのAERA本誌での対談で、こう話している。
星野:感覚としては、めちゃくちゃ吹雪が(笑)。(略)いろんなところで吹いていて、でも自分は家の中でこたつに入ってるみたいな。(略)外はブオーッて吹雪いてるんだけど、家はシーンとしていて、その中でひとりお茶を飲んでるというか。
MIKIKO:すごい境地ですね(笑)。
星野:だから落ち着いてます。そういうのが嫌だと思ってイライラしてるわけでもないし。
同じような環境の中に身を置く二人が、同じように大切にし続けてきた「低刺激で穏やかな生活」。二人が結婚へと向かったのは必然と言っていい。
インスタグラムで公表した文章に星野さんはこう綴った。
「これからは二人で力を合わせながら、穏やかに生活を営んでいけたらと思っています。」
(編集部・高橋有紀)
※AERA 2021年5月31日号