ネット上にはさまざまなフェイク情報が流れている。新型コロナウイルスの感染拡大が始まったばかりの昨年2月に多くの人を不安に陥れた「トイレットペーパーが不足する」というデマもその一つ。ネット発の噂の中から、話題になって“都市伝説”化したものについて検証してみた。
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「黒マスク低学歴説」がネットで話題になったのは、昨年の初夏ごろ。マスク不足が次第に解消し始め、アベノマスク配布が始められた時期だ。人気ユーチューバーが「黒マスク柄マスクしてるヤツ低学歴説を検証する」という動画を公開。動画は30万人以上が視聴し、低学歴説の存在が流布され、今も一部で語られ続けている。
この動画では街で黒マスクをしている人に学歴を聞いていたが、浪人生や専門学校生、中には難関大学生もいて、結局、情報の真偽は不明だった。
そもそも他人が人の学歴を高い低いと言うのも失礼な話だが、今回の記事の目的は都市伝説の検証。あいまいなまま終わった調査の続きを記者が実施しようと、行ってみたのは東大赤門前。噂が事実なら、ここでの黒マスク率は低いはずだ。結果、1時間少々で175人が赤門から出て、マスクを着けていなかったのは1人。マスクを着用していた174人中、黒マスクは33人だった。黒マスク率は約20%。東大生でも5人に1人は黒マスクを着用しているのだから、マスクと学歴に関係はなさそうだ。
この日、黒マスクを着用していた東大関係者たちのほとんどは、都市伝説を否定した。
「馬鹿らしい。僕自身が反証なのでは?」(21歳男子学生)
「今日は友人と会うだけだから黒マスクだけど、面接とかには白マスクで行きますよ。学歴問題ではなく、エチケットの問題なのではないでしょうかね」(22歳男子学生)
「香港の民主化運動に敬意を表して黒マスクを使用してる。学歴とは関係ない」(19歳女子学生)
ではいったいなぜ、こうした根拠があいまいな風説が独り歩きするのか。ネット上にはほかにもたくさんの“都市伝説”が飛び交っている。