レベル3(ねぐら鳩)では、場所に対する執着が強まっているため、ベランダの手すりや室外機の上に剣山を設置するなどの物理的な対策が必要となる。そしてレベル4(巣作り鳩)になると、防鳥ネットで侵入経路を塞ぐ以外に方法はない。

 横浜市のマンションに住む30代男性は昨年8月から鳩害に悩まされ続け、今年3月、ついに専門業者に対策を依頼した。すでにレベル4の段階だった。

「早朝から鳴くので、いつも睡眠不足でした。リビングで会話していても、鳴き声が聞こえると暗い気持ちになりました」

■掃除しても糞だらけ

 最初はベランダに鳩の羽根が落ちていたり、糞が点々とあったりするだけだったが、次第に糞が目立つように。手すりや室外機の上に剣山を設置したがあまり効果はなく、掃除してもすぐに糞だらけになったという。

 軽視されがちな鳩の糞害だが、カビの一種であるクリプトコッカス菌が含まれていることがあり、口から吸いこむと肺の中で増殖し、重症化すると脳や脳脊髄(せきずい)膜に炎症を起こす可能性がある。最悪の場合は死に至ることもある。

「防鳥ネットの施工費用は全部で5万円。背に腹は代えられないという気持ちで依頼しました。もう糞の心配はしなくていいし、毎朝気持ちよく目覚められるので、生活が一変しました。何を今まで悩んでいたんだろう?という感じです(笑)」

 被害は毎年5~6月にピークを迎える。鳩があなたの家に「ステイホーム」する前に、ぜひ早めの対策を。(編集部・藤井直樹)

AERA 2021年6月7日号

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