大きな音を立てて、一斉に飛び立つ大量の鳩。動きが活発になる5~6月は、被害レベル3から4へ移行する期間が数日しかなく、年間で最も注意が必要な時期だ (c)朝日新聞社
大きな音を立てて、一斉に飛び立つ大量の鳩。動きが活発になる5~6月は、被害レベル3から4へ移行する期間が数日しかなく、年間で最も注意が必要な時期だ (c)朝日新聞社
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AERA 2021年6月7日号より
AERA 2021年6月7日号より

 コロナ禍で在宅時間が増え、鳩害に悩む人が急増している。対策を実施する上で重要なのは鳩の習性を把握することだ。AERA 2021年6月7日号の記事を紹介する。

【図】あなたの家は大丈夫?鳩の被害レベルはこちら

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 コロナ禍で在宅時間が増える中、特に都市部のマンションで多発しているのが“巣ごもり騒音”のトラブルだ。「上の階の子どもが走り回って騒がしい」など隣近所の生活音や振動が主な原因だが、騒音の発生源は必ずしも人間とは限らない。

「窓の外からばたばたと音がしたので、何事かとカーテンを開けてみたら、2羽の鳩(ハト)が手すりに止まっていました」

 こう話すのは、東京都杉並区のマンションに住む40代女性だ。4月から再びテレワークに切り替わったことで、ベランダに飛来する鳩の存在に気づいたという。

「ここ2週間は、昼になるとほぼ毎日飛んで来ます。糞(ふん)や羽根が落ちていて気持ち悪いです」

■相談件数が34%増に

 実際にコロナ禍で「鳩害」に悩まされる人が急増している。年間約5千件の鳩害を扱う日本鳩対策センター(東京)では、2020年度の個人からの相談件数が761件に上り、19年度と比べて34%増になった。同社の中明克之常務取締役は言う。

「鳩害をなんとかしたいと考えている人は確実に増えています。顕著なのがインターネットでの鳩害対策グッズの売り上げ。例年最もよく売れる4~5月で比較すると、20年は前年比56%増でした」

 鳩害対策を行う上で重要なのは、鳩の習性を把握することだ。中明さんによると、鳩に狙われやすい家には特徴がある。それは三方を塞がれた場所があること。雨風がしのげるだけでなく、卵を産んだときにカラスなどの外敵から襲われる危険性が低いからだ。特に室外機や物置の裏を好み、巣を作る。

 また、鳩が居つくようになるまでには四つの被害レベルがあり、それぞれのレベルに合った対策を講じる必要があるという。

 レベル1(休憩鳩)~2(待機鳩)では音を出して脅かす、あるいはベランダの手すりなどに忌避剤を置くと、1週間くらいで来なくなることが多い。

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