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YouTubeには、考察と呼ばれるジャンルがあります。人気のアニメや漫画、音楽や美術作品について考察するジャンルです。
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考察は、ある種の都市伝説のようなもので、ファンによって、まことしやかに語られる仮説です。「このシーンにはこんな意味があったのではないか」「この人物は実はこうだったのではないか」など作品の行間を読み解いていく仮説もあれば、「〇〇と〇〇は実は家族だった」「〇〇は裏設定でこうだった」など一見すると荒唐無稽であったり支離滅裂な仮説もあります。
いずれにせよ、一つの作品についてファンが調べたり考えたり、意見を述べて議論するという盛り上がりがあります。考察は、ファンの作品の楽しみ方の一つです。そのため、日本のコンテンツで人気の高い作品は、必ず考察されます。「考える余地」が多くある作品は、考察を含めて楽しめるからです。
日本で最も考察される作品は、スタジオジブリの作品だと思います。「千と千尋の神隠し」「もののけ姫」「となりのトトロ」などの宮崎駿監督による大ヒット作は、日本人なら多くの方々にとって、なじみ深いアニメです。スタジオジブリの作品は、核となるメッセージが随所に散りばめられています。
子供の頃はわからなかった部分も、大人になると理解できたり、「こんなことを伝えたかったのかな」とおぼろげに分かることもあります。観る人の年齢や状況によって感想も異なり、多角的に捉えることができます。音楽でもアニメでも、受け手がそれぞれの解釈を持てる、「遊び」のような余白の設定があると、ファンの間で考察が多くされて盛り上がります。
SNSでも「匂わせ投稿」と呼ばれる、間接的にメッセージ性のある表現をする投稿は、話題になったり物議を醸します。この「匂わせ投稿」と同じ原理で、「匂わせ設定」や「匂わせヒント」のような表現がちりばめられているアニメや作品は、特に考察が盛り上がりやすいです。アメリカのカートゥーンのような、シンプルで単純なストーリーだと考察はされません。この「匂わせ」の散りばめ方が巧みであるのが日本のアニメで、ヒット作は特に考察されやすいものが多いです。