「パラリンピックの選手は、五輪選手に比べて平均年齢が10歳ほど高い。車いす生活が長い選手の中には高血圧や糖尿病の持病を抱える人も多い。また、頸髄(けいずい)損傷や脳性まひの人は呼吸器の機能が弱く、コロナに感染して肺炎になると重症化しやすい」
米国の医学専門誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」が5月25日に掲載した論文でも、この問題が指摘されている。東京大会で準備されているプレーブックを「科学的な厳しいリスク評価に基づいて作られていない」と批判。その一例として「パラリンピックのアスリートの中には、より高いリスクを抱えている人がいる」と指摘している。
大会終了後、日本が世界中から非難の的になる。その懸念はまだ消えていない。(本誌・西岡千史)
※週刊朝日 2021年6月18日号